スポンサーサイト

--.--.-- --:--|カテゴリ:スポンサー広告| コメント(-)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

数学しかやってこなかった人間が社会に出てみた

2017.12.27 08:27|カテゴリ:日常コメント(0)

020-001


※私は線形代数がくっそ苦手です

 皆さん、クリスマスはいかがでしたか?
 私は、イブは引きこもって過ごし、クリスマスは普通に仕事でした。いつもどおりの日常です。
 そして、正直に言うと、冬コミの準備をしていて数学なんぞやっておりません(笑)

 さてさて、気がつけば社会人になって1年と8ヶ月ぐらいが過ぎようとしています。
 数学科は就職率が悪いだとか、人間との関係性が希薄だからコミュニケーションの仕方を忘れるだとか、そもそも人間らしい生活を諦めなければ数学はできないだとか、端的に言って「ヤバイ学科」というのがネットとかで散見される意見です。そして、数学科を卒業していった自分も「確かにな」と思う部分は多々あります。

 そんな社会不適合者育成機関である数学科から卒業していった人間はまともに働くことはできるのか?という疑問も浮かび上がるのはごくごく自然なこと。現役で数学科である人であれば、社会に出ることに多大な不安を抱えている人も多いでしょう。

 今回は私という実例を元に、数学をやってきた人間が社会にどう適応していくか、ということについてつらつら書いていこうかと思います。先に結論を言っておくと、それなりに社会に馴染んで生きています。ただし、数学科の人たちであれば重々承知だと思いますが、社会に適合した例があったとして、任意の元についてそれが成り立つとは限りません



 まずは数学科時代のスペックから述べておきましょうか。

・一浪入学で大学院修士課程卒業
・専攻は解析的整数論(実社会での応用はほぼほぼ皆無な分野)
・中学・高校の教員免許所持
・バイト経験はほとんどなし
・趣味で絵とか小説を書くこともあり、基本的には引きこもることを至高としていた(大学院時代は週6で引きこもっていた)


 とまぁこんな感じでしょうか。
 真面目に数学はやってきましたが、社会で使えるようなスキルはほぼ皆無な人間です。言い換えるのであれば、確実に即戦力ではないスペックといったところでしょうか。

 そんな人間が、現在に至るまでどのような変遷を辿っていったのか説明していきましょう。


◎就活

 就活に関しては別の記事で詳しく書こうと思っているのですが、私はギリギリまで博士過程に進むか迷っていて、就活はくっそいい加減にを終わらせた人間です。トータル3社受けて、1社から内定をもらった瞬間、「よし、数学しよ!」って感じで就活をぱったり止めました(笑)
 内定先はIT企業の企画職です。プログラミングとかできなくても問題ない、誰にでも応募資格がある部門です。どうしても自分のスペック的に、そういったところしか入れませんからね。元々サブカルとか好きでコミケとかに出展するような人間でしたから、そういった意味で(実際どうかは置いておいて)企画職との相性は良かったかもしれません。
 ちなみに、数学科卒の入社先として、このようなIT企業の選択はかなり異質です。普通は金融や保険、コンサルタント等の数学で培った知識や考え方が生きて、なおかつ給料が良いところに行くものですが、私の内定先は数学の知識は確実に役に立ちませんし、給料も一般的な水準に比べれば良いのかもしれませんが、他の数学科生たちが行くようなところに比べると確実に低い部類でした。さらに付け加えれば、エンタメに特化しているIT企業ということもあって、数学の有用性など微塵も理解されない環境でもあります。イメージとしては
「へー、数学できるんだー、頭いいねー(気持ち悪っ)」
 たぶんこんな感じ。
 元々「社会に出たら数学とはまったく関係ないことをしたい」と思っていたので選択自体に後悔はないですが、お金を稼ぐことに重きを置いていたのであれば、確実に違う業種を選んでいたことでしょう。


◎入社……そして、配属

「数学科で数字強そうだし、ゲームチームのレベルデザイナーね」

 実際の言葉は若干違いますが、こういった旨のことを言われたのをよく覚えています。そして同時に

「いやいや、数学科って別に数字見てませんよ?」

と言い返したことも覚えています。微分、積分計算できなくても数学はできますからね。
 まぁそんな些細な主張は会社としてはどうでもいいわけで、一年目はソーシャルゲーム事業部でレベルデザイナーとして仕事をすることになりました。レベルデザイナーとは、雑にまとめると「ゲームで出てくる数字を全部決める人」と言っても良いでしょう。ソシャゲで言えば、ガチャの確率だったり、敵の強度だったり、報酬の量だったり。一度設定をミスるとゲームバランスが崩壊するのでかなり責任重大な仕事であり、確かに数字に強くないと務まらない仕事でもあります。
 とは言えある程度軌道に乗った運用タイトルのレベルデザイナーとしてアサインされたので、始めは既存の設計をコピペしつつ、徐々に慣れていったら独自の設計とかも試してみる、といった具合に仕事自体はそこまで難しいものではありませんでした。



◎違和感

 上記に述べた通り、レベルデザイナーは数字に関して敏感でなくてはなりません。設計するときも、過去のデータを見て、変化するユーザー層に対して常々微調整を施していく必要があります。それに伴い、自分で見たいデータを見るためにSQL(データベースにある情報を取り出すための言語という認識でOK)をかじったりしました。SQLに詳しい人に15分ほど基本知識を教わったあとは、他の書いた人が書いたSQLを見たり、ググったりして自然と身についていった記憶があります。数学で新しい概念を学ぶよりは遥かに楽です。
 そんなわけでデータドリブンな仕事をしていたわけですが、どうやらそれが当たり前だと思っていたのは自分だけで、周りの人はわりとデータを軽視していたことに気付きます。いや、正しくはデータがあったとしても正しく読めない、だからデータを使わないというのが正しいでしょうか。何かしらの施策を打つ時に、その根拠となるロジックもだいぶ怪しかったりします。誰かが「こうすればここの数字が上がります!」と主張しても、「いや、その数字はこことこことここに影響あるから、そう言った数字を全部確認しないとその理論は成り立たないだろう」と簡単に否定できてしまうようなことが多かったり。穴のない厳密な論理を組み立てることに慣れた数学科は前提条件をちゃんと洗い出すことを無意識のレベルでやっていると思いますが、普通の人はそう言ったもの全部感覚で片付けてしまいます。感覚が当たれば良いですが、どうしても再現性は低くなります。しかし、それでもその「感覚」が正確な人がゲーム開発において偉い立場につくわけです。

 で、私がやろうとしたのはその「感覚」に頼らない設計でした。いくら相手が感覚的であろうと、ロジカルに叩き潰せば納得はしてもらえるものです。そもそもを言えば、ゲームの設計に正解なんてありませんから、結構やりたい放題やれました。



◎現在の地位を築く

 で、ぶっちゃけておくと、半年、いや、3ヶ月ぐらいで「あっ、私、ずっとゲーム開発やっているビジョンないわ」って思ってコソコソと転職活動を始めていました。元々飽きっぽい性格というのもあるんですけど、物量で忙しさだけはあるけど、頭をすり減らすような頭脳労働としてのやりがいがまったくない、というのが決定的な部分でしたね。ちょうど1年目が終わる頃にはデータサイエンティストとコンサルタントの会社からすでにオファーをもらっていて、転職する気満々でした。IT企業ということもあり、転職して当たり前って風潮もあり、「転職考えています」って言ったら結構話はトントン拍子で進んでいきまいた。

 5月ぐらいには新天地で働けるかなぁーって思っていたら、ここにきてまさかの「ちょっと待って」という声がかかりました。普通の声かけだったら絶対無視していたんですが、声をかけてくれた人が、その会社で自分が尊敬する数少ない人の一人(かなり偉い人)で「この人の近くで仕事できるなら残るのはアリかな」とちょっと思っていました。その後も色々と長い交渉があり、気付いたら「ねし部」という事業部横断の分析チーム(人数は一人(笑))の設立が決まり、新卒二年目で事業部長という偉業を成し遂げることになりました。

 給与を重視するならほぼ転職一択でした。それでも、現在の会社で働くつもりになったのは

・本当に尊敬できる人の近くで働ける(=その人の物の判断の仕方を学べる)
・分析業務中心であるがR&D的な働き方ができる
・ゲーム以外にも様々な部署があるのでトピックは尽きないし、やれることがかなりある
・分析という武器で社内で無双できる
・「2年目で事業部長に就任」という対外的なブランディングができる


というメリットが自分の中ではかなり大きかったです。将来的に転職だったり起業だったりの選択肢を視野に入れての判断なわけでもありますが。
 ちなみに、数学科が本気を出せば他社の分析チーム(笑)が苦労してできていないような分析の成果を産み出すことは容易いので、一人だろうが実績を積み上げるのに大きな問題はなく、現在のところ順調に働けています。他所の分析チーム(笑)の話をしておくと、彼らはツールを使ったり資料をまとめ上げるプロフェッショナルではあるかもしれませんが、問題を解いたり理論を組み立てることに関してはほとんどの人が素人です。つまり、既存の問題は対処できると、新しい問題に対してはめっぽう弱い、というわけです。他社の勉強会だったり、分析調査の打ち合わせだったりでそう言った人たちの分析資料に目を通すことがありますが、大半がぶん殴りたくなる出来だったりします。数学のゼミで例えるなら、「それ、どこが自明なの?」というツッコミ以前に「それ、どこが非自明なの?」というツッコミがしたくなるレベルです。良かったなぁ、ここが数学の場ではなく、ビジネス(笑)の場で。



◎あれ、社会で働くのって楽じゃね?

 色々と自分語りをしてきたわけですが、私から言わせれば数学をしっかりやってきた人間であれば社会で活躍するのは全然難しいことではないと思います。みんな経験からしか基づかないガバガバなクソ理論しか持ち合わせていないのでいくらでも出し抜ける要素はあります。あとは適当なコミュニケーション能力さえあれば無双は余裕です。えっ?コミュニケーション能力がないって?ゼミで頑張って身につけてください。少なくとも私はゼミを通じて人前での話し方やプレゼン能力は伸ばすことができたと思っています。

 即戦力とは思われにくく、さらには変なイメージも染み付いている数学科ですが

・ロジカルシンキングで負ける要素がない
・曖昧な部分もしっかり前提を問いただす癖がついているので、新卒特有の確認不足によるミスがほとんどない。
・新しい知識や技術を身につけるのに抵抗がないし、ビジネスだと実例が多いので理解もしやすい
・(実際そうかどうかは置いておいて)数字に強いと勝手に思われる
・問題の本質を見抜く力だったり、前提条件を隅々まで網羅する力に長けている
・新しい問題に対処する能力が備わっている


という点で大きくアドバンテージを取れます。逆に欠点になりやすい点として以下は気をつけておいた方が良いです。

・完璧な理論や精度を求めがち。7割程度を目標としてビジネスのスピードに合わせるべき。
・ぶっちゃけ周りの人間が無能に思える。本当に尊敬できる人がいなければ辞めた方が良い。
・逆に周りからも理解されにくい。理論という絶対的な軸が正しさを証明する(ビジネスとして成果を上げる)までは辛抱かも。
・難しい単語を使いたくなる症候群は抑える
・世の中には解けない問題もある。下手に固執せず、時間を費やして価値のある問題かどうか、素早く判断できる仕組みが必要。


 欠点もあるわけですが、よくよく考えてみると数学科ほど社会で活躍できる学科もないのかな、と感じます。前提条件として、新規性のある自分の研究成果を残すレベルに本気で数学に向き合って頑張った経験がある、というのはありますが(単純に数学ができなくてドロップアウトした数学科も多いので)。

 念のため補足しておくと、私は数学がまったく役に立たないであろう会社に勤めたわけで、結果として「鶏口牛後」的なポジション取りで活躍している節はあります。知的エリートが集結して本当のプロフェッショナルなる集団の中で働くとなると、また立ち振舞い方は変わるでしょう。
 とは言えどこにいたとしても、その場のニーズが何かを把握し、それに対して自分が提供できるバリューを考えるというのが基本になっていくと思います。本質を見失わず、常にその問いを投げかけていれば、どんな場所でも十分な活躍はできることでしょう。



 ばーっと久々に文字書いてみて、ブログを更新を怠っていた時期の簡単な近況報告みたいな感じになった文章ですが、先に述べたように就活や転職活動についても色々書きたいと考えているので、詳しい話はまたそちらでしたいと思います。一応数学科という軸で書いてはみましたが、基本的に学生時代を真面目に全力で取り組んだ人は社会でも問題なく活躍できるものだと私は思います。しかし、数学の有用性を十分に理解している人は世間一般にはかなり少ないので、そこはなんとか頑張らないといけない部分ですが……。まぁそこらへんはまた別の記事で。

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

ねっしー

Author:ねっしー
個人サークル『Next Nexus』で活動(予定)
元『それは割れません。』
絵描いたり、小説描いたり、数学やったり、日常のどうでもいいこと綴ったり。


ついったー
検索フォーム


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。